知っておきたい熱交換器の基礎知識
熱交換器というのは、液体や気体などといった温度の異なる二つの流体の間で熱を移動させる機器で、温度制御やエネルギーの回収・利用などの目的で工業や発電、冷暖房といった分野で幅広く用いられています。
その種類は流体の流れ方や構造によって様々ですが、代表的なものとして次のようなものがあります。
まず一つ目は空冷式と呼ばれるもので、これは管束に冷却対象の液体を流しファンで空気を送風して熱交換するタイプです。
設置場所に制限が少ない反面、周囲の温度に影響されるという点に注意しなければなりません。
二つ目のファンコイルユニットは冷却水を循環させたコイルに空気を送風して熱交換するタイプで、冷却水の温度を変えることで冷暖房が可能となっています。
三つ目のプレート式は、薄い平板を重ね合わせて間に流体を通して熱交換するタイプです。
熱交換効率が高く小型化できるものの、圧力損失が大きいという点が玉に瑕です。
四つ目のシェル&チューブというのは胴体部に伝熱管を収めて管内流体とシェル側流体の間で熱交換するというもので、低温・高温、低圧・高圧、加熱・冷却・蒸発・凝縮などに対応することができるようになっています。
五つ目は二重管式熱交換器です。
これは、大きさの異なる二つの同心管を使って内管と外管の間で熱交換する機種となっており、熱交換量が小さい場合に適しています。
他にも、投げ込み式熱交換器やジャケットタンクといったタイプが存在しているので、用途に応じて使い分けると良いでしょう。